http://fkojima.web.fc2.com/



近畿大学名誉教授 工学博士 児島忠倫

Dr.Tadatomo Kojima's Homepage

児島忠倫のホームページへようこそ

****************************

第 1 章
工業化社会 航空宇宙分野 に役立つ

不足膨張超音速噴流の解明
および 擬似衝撃波構造の解明

****************************

*************************

 

不足膨張超音速噴流中に生じる擬似衝撃波構造の解明

 異なるよどみ圧力で、静止大気中に噴出される不足膨張超音速噴流の可視化写真を示す。それぞれ出口部での平均マッハ数が、1~2における流れのシュリーレン写真である。
 出口平均マッハ数の違いにより、衝撃波構造や擬似衝撃波の長さ、流れのようすが異なることが分かる。
 出口平均マッハ数が2の場合には、時間平均的なカラーシュリーレン写真とスパーク光源を使用したシュリーレン写真を示す。
 時間平均的な流れは、露光時間1/60 s、瞬間的な流れは、せん光時間1μsのスパーク光源で撮影したものである。
 時間平均的な流れにおいては、多数の衝撃波から構成される擬似衝撃波がかなり下流域まで存在し、過圧縮域と過膨張域からなるダイヤモンドセルが見られる。
 出口部には、たる形衝撃波が生じており、急膨張急冷する流れとなる。しゃ断衝撃波が衝突する部分で、流れ方向に平行なスリップ面が生じている。スリップ面内での流れは、亜音速流れとなっている。
 なお、ここに示す不足膨張超音速噴流では、ラバルノズルから噴出される過膨張超音速噴流や適正膨張超音速噴流よりも、かなり下流域まで超音速流れとなっていることが分かった(See Site2)。
 実際の流れは、スパーク光源で撮影されているように、下流域で非常に激しく自励振動する流れとなっており、数百kHzで激しく振動していることが、非定常な圧力計測結果より判明した。同じ条件でノズルから噴出されている流れにおいて、可視化の手法で全く異なった流れとなっている。
 したがって、衝撃波の構造、挙動、流れ場のようすを解明するには、多岐にわたる計測、可視化等に基づいた解析が不可欠である。
 なお、擬似衝撃波の構造に示すように、マッハ数が1.3~1.6の領域では、マッハ数2に示すようなノズル出口部から発生するしゃ断衝撃波と反射衝撃波の接触部分から生じるスリップ面は見られない。
 このようなスリップ面は、おおよそマッハ数1.7付近より発生することが、シュリーレン写真より判明した。

マッハ数の違いによる不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波構造
<シュリーレン写真画像や構造図のクリックで、関連文献サイトへ>

   シュリーレン写真 時間平均的な流れ マッハ数2         シュリーレン写真 瞬間的な流れ マッハ数2


  <不足膨張超音速噴流 カラーシュリーレン写真 マッハ数2>   <不足膨張超音速噴流の非定常流れ シュリーレン写真 スパーク光源撮影>

***

マッハ数1.3~1.6、およびマッハ数2における擬似衝撃波構造の詳細図

   
        <マッハ数1.3~1.6の擬似衝撃波構造>                <マッハ数2の擬似衝撃波構造>

***

擬似衝撃波構造 静圧分布と速度分布 擬似衝撃波の長さ

    
<静圧分布と速度分布との関係>        <擬似衝撃波の長さ>

***

不足膨張超音速噴流 擬似衝撃波構造 全圧分布とマッハ数分布 

            
<全圧分布Pt>                              <マッハ数分布Ma>

*****        *****        *****        *****

不足膨張超音速噴流の可視化
下記のカラーシュリーレン写真は、可視化学会 学会賞受賞作品
手作りの5色カラーフィルターを使用して撮影したものである。

*****        *****        *****        *****

カラーシュリーレン写真

 
カラーシュリーレン写真               カラーシュリーレン写真
        <不足膨張超音速噴流 擬似衝撃波構造 カラーシュリーレン写真>

*****        *****        *****        *****

カラーシュリーレン写真

  
  カラーシュリーレン写真               カラーシュリーレン写真
       <不足膨張超音速噴流 擬似衝撃波構造 カラーシュリーレン写真>

*****        *****        *****        *****

カラーシュリーレン写真

          
     カラーシュリーレン写真                  カラーシュリーレン写真
               <マッハ数の異なる 不足膨張超音速噴流の可視化 カラーシュリーレン写真>

*****        *****        *****        *****

        
        カラーシュリーレン写真                  カラーシュリーレン写真
            <マッハ数の異なる 不足膨張超音速噴流の可視化 カラーシュリーレン写真>

*****        *****        *****        *****

マッハ数0.8~マッハ数2の基本的な流れの形態

     
            <マッハ数0.8~2における流れの基本的な形態 擬似衝撃波構造>

*************************************

キーワード

流体力学、圧縮性流体力学、数値流体力学、CFD、超音速噴流、不足膨張超音速噴流、環状噴流、単一噴流、衝突噴流、干渉噴流、気液二相流、非定常流れ、衝撃波、擬似衝撃波、圧縮波、膨張波、自励振動、境界層制御、ジェット騒音、離散周波数騒音、二値化画像処理、コアンダ現象、付着噴流、コンバータ、消音器、金属溶湯粉砕、金属粉砕メカニズム、ガスアトマイズ法、フリーフォール型ガスアトマイズ法、コンファインド型ガスアトマイズ法、金属粉末製造法、急冷凝固、球形粉末、異形粉末、扁平粉末、アトマイズノズル、シュリーレン写真、シャドウグラフ法、3Dプリンター、CFD熱流体解析、メルトブローンノズル、紡糸ノズル、ジェットエンジン、ロケットエンジン、ラバルノズル、フラップまわりの流れ、高揚力装置、高揚力フラップまわりの流れ

******************************

学会活動 役員 受賞歴

多岐分野にわたって、多数の論文発表。役員等歴任、受賞歴。

 1. 日本機械学会(商議員、評議員、論文校閲委員等歴任、功労賞、教育賞受賞)、現在;永年会員

 2. 可視化情報学会(学会賞、功労賞受賞)

 3. 日本ウォータージェット学会(論文・学会誌「噴流工学」)

 4. 日本流体力学会

 5. 日本航空宇宙学会

等に所属、多方面にわたる学会活動を行ってきた。

***********************************

社会活動 社会貢献

主として、下記に示す専門分野、研究テーマ等について、学会活動、および工業化社会への社会活動、社会貢献を行っている。

 

*****     *****     *****
専門分野
主な研究テーマ
主な公開研究論文サイト
*****     *****     *****

専門分野

専門分野:機械工学 流体力学 圧縮性流体力学 超音速噴流

超音速噴流(不足膨張超音速噴流 Underexpanded supersonic jet)は、産業界などのいろいろな分野で利用、応用されているが、超音速噴流中に生じる衝撃波構造の違いによって、さまざまな複雑な流れの現象が生じる。

近年、工学的に、あるいは産業界において衝撃波の構造や振動現象、あるいはジェット騒音の解明などが重要なテーマとなっている。

これらに関する基礎的な研究と応用的な研究を行っている。

特に高圧管路内の流れや超音速噴流の解明、アトマイズノズルや繊維ノズルの研究開発、翼周りの流れや車両周りの流れの解明、自動車用マフラーやコンバーターの研究開発など、多岐にわたる研究を行っている。

その中で、工業用ノズルから噴出される不足膨張超音速噴流の構造と挙動については、未解明な現象が多いのが現状であり、流れ場の現象がよく解明されていない状態で、工業用製品が各方面で多数製造されている。

特に、金属粉末製造のためのアトマイズノズルについては、出口部での流れが金属粉末の品質に大きな影響を及ぼしている。

流れ場の解明、および金属溶湯の粉砕メカニズムの解明について、明らかにすることが重要である。

*******************************

著  書

(1)「流れの力学」-基礎と演習- 共著 コロナ社

(2)エース機械工学シリーズ流体の力学」 共著 朝倉書店

********************************

主な研究テーマ

◎超音速噴流の衝撃波構造・非定常流れ・ジェット騒音の解明、圧縮性流体の計測技術の開発

◎CFDを応用した圧縮性流体の流れの解明および気液2相流体流れの解明

◎流れの可視化技術(シュリーレン法、シャドウグラフ法)

◎ガスアトマイズ法による金属粉砕技術の研究開発

  1. 不足膨張超音速噴流の構造(時間平均的な流れ)
  2. 不足膨張超音速噴流の非定常特性
  3. 不足膨張超音速噴流の干渉特性,可視化技術のアイデア(平行噴流の干渉特性、衝突噴流の干渉特性、異径噴流の干渉特性)
  4. 離散周波数をもつジェット騒音の解明(発生メカニズム、渦輪の構造,画像処理・二値化画像法)
  5. 非対称な不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波構造の解明(単一非定常特性噴流、二噴流の干渉特性)
  6. 広がりノズルから噴出される噴流の解明(自励振動,ジェット騒音、境界層制御)
  7. 繊維ノズル、紡口ノズルから流出する超音速流れの解明(動画解析、カラーシュリーレン写真)
  8. コアンダ現象の解明(純流体素子、翼周りの解明)
  9. 気液2相流を応用した金属微粉末の粉砕メカニズムの解明(アトマイズノズルの研究開発、ノズル出口付近の流れの粉砕メカニズムに及ぼす影響、体積率と粉砕粒径・メカニズム、CFDによる数値解析で流動状況および粉砕メカニズムを解明)

これらの研究成果が、下記サイトに公開されている。

*********************************

主な公開研究論文サイトへリンク 

公開されている主な研究論文を、下記に示す。
主として不足膨張超音速噴流に関する論文であるが、工学、工業上有用と思われる亜音速噴流の論文も含まれている。
噴流の特性をいろいろな観点から明らかにしているために、電子部品、化学繊維、医療用製品に応用されるノズルの研究開発に応用可能な論文が含まれている。
また、自動車部品の製造に利用される噴流の解明、翼周りの流れの解明にも有用な論文も含まれている。
ジェット騒音については、従来の解明方法と異なる考え方で高速度カメラをシュリーレンシステムに組み込み、渦輪や衝撃波の挙動を画像処理等を用いて解明している。

不足膨張超音速噴流に関する研究論文は、工業上、いろいろな分野で利用、応用されており、興味深い研究成果が報告されている。

下記論文には、金属粉末を製造するためのガスアトマイズノズルの技術開発や、高温溶解ポリマーを用いた化学繊維を製造するためのノズルの技術開発、および航空宇宙分野のジェット推進などに関わる技術開発に応用可能な研究成果が含まれており、工業用ノズルの技術開発に有用と思われる。

著者の主な公開参考文献(公開研究論文 リンク)

  1. 不足膨張噴流に関する研究(第1報,擬似衝撃波の構造と圧力、速度について)、日本機械学会論文集
  2. 不足膨張噴流に関する研究(第2報,擬似衝撃波の構造と管内径の影響)、日本機械学会論文集
  3. 不足膨張噴流に関する研究(第3報,非定常特性について)、日本機械学会論文集
  4. 2個の平行な異径超音速噴流の干渉特性、日本機械学会論文集
  5. 非対称な不足膨張噴流の擬似衝撃波構造の解明(単一噴流の定常特性)、日本機械学会論文集
  6. 非対称性をもつ不足膨張超音速噴流中の擬似衝撃波構造の解明、可視化情報学会誌
  7. 非対称性超音速噴流の自励振動と擬似衝撃波構造の解明、可視化情報学会誌
  8. 非対称超音速ジェットの擬衝撃波の自励振動と構造の研究、JAXA
  9. 不足膨張噴流中に発生する擬似衝撃波の構造、可視化情報学会誌
  10. Study on Self-Exited Oscillation and Structure of Pseudo-Shock Waves of Asymmetric Supersonic Jet、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  11. 不足膨張噴流の干渉に関する研究(第1報,2個の平行な噴流の干渉特性)、日本機械学会論文集
  12. 不足膨張噴流の干渉に関する研究(第2報,3個の平行な噴流の干渉特性)、日本機械学会論文集
  13. 不足膨張噴流の干渉に関する研究(第3報,2個の噴流の衝突による干渉特性)、日本機械学会論文集
  14. 非対称ノズルから噴出される超音速噴流の干渉特性、可視化情報学会誌
  15. 平行な2個の非対称ノズルから噴出される超音速噴流の干渉特性、可視化情報学会誌
  16. 管末端近傍の静圧と流速について (空気を噴出させた場合の圧力分布)、近畿大学工学部研究報告
  17. 離散周波数をもつジェット騒音の研究(第1報、騒音特性と発生機構)、日本機械学会論文集
  18. 離散周波数をもつジェット騒音の研究(第2報、渦輪の構造と挙動)、画像処理応用熱流体計測、日本機械学会論文集
  19. 擬似衝撃波構造と離散周波数騒音の関連性(二値化画像法による解明)、日本機械学会論文集
  20. 渦輪構造のジェット騒音に及ぼす影響、可視化情報学会誌
  21. 離散騒音に及ぼす渦輪構造と衝撃波構造の影響について、可視化情報学会誌
  22. 画像処理による離散周波数騒音の発生機構の解明、可視化情報学会誌
  23. Effect of Discrete Frequency on Subsonic Jet Noise、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  24. Effect of the Structure and Behavior of the Vortex Ring on the Discrete Frequency Noise、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  25. 可視化画像による超音速ジェット中の擬似衝撃波の振動解析 (離散周波数騒音の発生におよぼす振動の影響) 
  26. ジェット騒音に及ぼす擬似衝撃波の自励振動の影響について、近畿大学工学部研究報告
  27. 亜音速ジェットのスクリーチと渦構造、可視化情報学会誌
  28. 超音速噴流における擬似衝撃波の振動と騒音との関係、可視化情報学会誌
  29. 衝撃波を伴った消音器内流れの解明、可視化情報学会誌
  30. 消音器内を伝播する衝撃波の構造と減衰特性、可視化情報学会誌
  31. 消音器内を伝播する衝撃波構造の解明、JAXA
  32. 曲面板に沿う超音速噴流のコアンダ現象の解明、可視化情報学会誌
  33. 曲面板に沿う超音速噴流のコアンダ現象の解明、JAXA
  34. 超音速噴流のコアンダ現象の非定常特性、近畿大学工学部研究報告
  35. 高揚力用フラップによる翼まわり流れ場の境界層制御に関する研究
  36. 熱伝達を伴った管路内流れの解析、可視化情報学会誌
  37. 熱伝達を伴った管路内流れの解析(第1報,解析方法)、近畿大学工学部研究報告
  38. 熱伝達を伴った管路内流れの解析(第2報,解析結果)、近畿大学工学部研究報告
  39. 二次元管路内流れの数値シミュレーション(管路の幅と長さの影響について)、可視化情報学会誌
  40. 平行噴流の干渉に対する数値シミュレーションと可視化、可視化情報学会誌
  41. 管路内狭さく流れの数値シミュレーション、可視化情報学会誌
  42. 非対称管路内における付着噴流の制御、可視化情報学会誌
  43. 付着噴流の制御に関する研究、可視化情報学会誌
  44. せきを越える流れの解析、可視化情報学会誌
  45. 高効率自動車用コンバータ内流れのCFDによる解明、近畿大学次世代基盤技術研究報告
  46. 消音器内の流れの解明と衝撃波減衰に関する研究、可視化情報学会誌
  47. 自動車用マフラー内の流れの衝撃波減衰に関する研究、近畿大学工学部研究報告 
  48. 広がりノズルから噴出される超音速噴流の境界層制御に関する研究(第1報,主噴流のよどみ圧力の影響),近畿大学工学部研究報告
  49. 広がりノズルから噴出される超音速噴流の境界層制御に関する研究(第2報,制御流のよどみ圧力の影響),近畿大学工学部研究報告
  50. 広がりノズルからの自励振動とジェット騒音との関連性、可視化情報学会誌
  51. 広がりノズルからの噴流特性とジェット騒音との関連性、JAXA
  52. 環状ノズルから噴出される超音速噴流の非定常特性、可視化情報学会誌
  53. 環状超音速風流に及ぼす環状ノズルの幾何学的形状の影響、噴流工学、日本ウォータージェット学会
  54. 気液2相流を応用した金属微粉末の粉砕メカニズムの解明、近畿大学工学部研究報告
  55. 環状ノズルから噴出される気液二相流の超音速流れの解明、噴流工学、日本ウォータージェット学会
  56. 衝撃波を伴う広がり噴流の境界層制御に関する研究、噴流工学、日本ウォータージェット学会
  57. 環状ノズルから噴出される超音速噴流の流れの解明、(実験、CFD、非定常特性)、噴流工学、日本ウォータージェット学会
  58. Study of Supersonic Flow Issuing from Annular Nozzle(非定常特性、ノズル形状、CFD)、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  59. Study on Boundary Layer Control of Jet Issued from Divergent Nozzle、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  60. Unsteady Characteristics of Supersonic Jet Flow Issuing from Annular Nozzle(CFD)、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  61. Study of Boundary Layer Control of Divergent Flow with Shock Wave、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  62. 衝撃波を伴った消音器内流れの解明、近畿大学工学部研究報告
  63. 高圧水噴流の可視化観察、近畿大学工学部研究報告
  64. コモンレール噴射系を用いたディーゼル噴霧の可視化解析、近畿大学工学部研究報告
  65. 数値解析による非対称流路内付着噴流の切り換え制御について、近畿大学工学部研究報告
  66. 刃形せきを越える流れの解明、近畿大学工学部研究報告
  67. CAD/CAMシステムとFMSを統合したFA教育システムの構築と機械システム工学教育、近畿大学工学部研究報告
  68. 粒子追跡速度計測法(PTV)の研究 、近畿大学工学部研究報告
  69. 粒子画像速度計測法(PIV)の研究 、近畿大学工学部研究報告
  70. 管路内流れの数値シミュレーション 、近畿大学工学部研究報告
  71. 管末端近傍の静圧と流速について : (空気を噴出させた場合の圧力分布) 、近畿大学工学部研究報告
  72. 管末端近傍の静圧と流速について : (水を噴出させた場合の圧力分布) 、近畿大学工学部研究報告
  73. 双安定形二次元付着噴流の平行な副噴流による制御 : (第3報,オフセット比の小なる場合) 、近畿大学工学部研究報告
  74. コアンダ効果の実験的・理論的研究 : (第1報) 、近畿大学工学部研究報告 
  75. 双安定形二次元付着噴流の平行な副噴流による制御 : (第2報,副噴流の流量と流速の関係) 、 近畿大学工学部研究報告
  76. 二次元付着噴流の制御に関する研究、近畿大学工学部研究報告
  77. 双安定形二次元付着噴流の平行な副噴流による制御 : (第1報,副噴流流量の影響について) 、近畿大学工学部研究報告
  78. 二次元付着噴流に関する研究、 近畿大学工学部研究報告
  79. ニ個の長方形噴流の干渉に関する実験的研究、近畿大学工学部研究報告
  80. ニ個の円形噴流の干渉に関する実験的研究、近畿大学工学部研究報告
  81. Study of Underexpanded Sonic Jet : (2nd-Report, Characteristics of Subsonic Jet and Transonic Jet)、Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University
  82. Study of Underexpanded Sonic Jet : 1st Report On the Mechanism of Pseudo-shock Waves and Pressure and Velocity in Jets)、 Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University 
  83. 不足膨張噴流に発生する擬似衝撃波構造の解明(広がりノズルからの噴出)、可視化情報学会誌
  84. 管路内流れに及ぼすフィンの影響、可視化情報学会誌、Vol.16,No.2
  85. ジェット騒音に関する研究 近畿大学環境科学研究所研究報告 第15号
  86. ジェット騒音に関する研究(平行噴流と衝突噴流の周波数特性) 近畿大学環境科学研究所研究報告 第16号
  87. ジェット騒音に関する研究(供試管内径および長さの騒音特性に及ぼす影響) 近畿大学環境科学研究所研究報告 第17号
  88. ジェット騒音に関する研究(出口形状の騒音特性に及ぼす影響) 近畿大学環境科学研究所研究報告 第18号
  89. ジェット騒音に関する研究(出口形状の騒音特性に及ぼす影響 その2) 近畿大学環境科学研究所研究報告 第19号
  90. ジェット騒音に関する研究(干渉噴流の周波数特性) 近畿大学環境科学研究所研究報告 第20号
  91. Effect of the Structure and Behavior of the Vortex Ring on the Discrete Frequency Noise, Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University,No.30

***************************************

外部サイト 公開研究論文

外部サイトの公開研究論文

(1)CiNii 日本の論文を探す(児島忠倫 Kojima Tadatomo)

(2)Google Scholar(児島忠倫 Kojima Tadatomo)

*****     *****     *****
亜音速噴流 遷音速噴流 超音速噴流
工業化社会への 応用例
研究テーマ 研究開発内容
*****     *****     *****  

1. より微細な金属微粉末を製造するためのガスアトマイズノズルの研究開発

2. ガスアトマイズ法による金属粉末製造技術の研究開発  

3. 紡口ノズル、繊維ノズルの研究開発

4. 超高圧水 金属アトマイズノズルの研究開発(高圧水・金属溶湯2相流流れのCFDによる解明)

5. 高圧ガス流・金属溶湯流の2相流流れのCFDによる解明(金属粉砕メカニズムの解明)

6. シャワープレートノズルの研究開発(半導体、電子部品の製造)

7. エンジン性能を低下せずに消音効果を高めるための自動車用マフラーの研究開発

8. 環境負荷を考慮したCO2削減のための自動車用コンバーターの研究開発(地球温暖化対策)

9. 自動車用エアフィルターの研究開発(エンジン性能・燃費の向上対策)

他。

*****     *****     *****
 
噴流エネルギー CFD
低酸素金属粉末の製造方法
不足膨張超音速噴流の金属粉末に及ぼす影響
*****     *****     *****

上述したように、不足膨張超音噴流を利用、応用した工業用製品が、産業界で幅広く使用され、目的に応じて多種類の製品が製造されている。

*****  補  足  *****        *****        *****

不足膨張超音速噴流の金属粉末に及ぼす影響 

これまでに関わってきた各種分野での工業用ノズルからの超音速噴流は、ほとんどが不足膨張超音速噴流の流れとなっており、このような流れの形態が色々な製品の製造には有効であると考えられる。

その理由として:噴流のもつ大きなエネルギーを利用して各種の製品を製造する場合には、シュリーレン写真やSite2に示した各種計測データなどから不足膨張超音速噴流が適していることが推測される。

また、不足膨張超音速噴流では、噴出直後で極値的に増大する噴流エネルギーが得られるが、かなり下流域まで擬似衝撃波の存在する超音速流れとなっており、下流域においてもある程度の噴流エネルギーによる仕事が得られることなどが理由である。

不足膨張超音速噴流のこのような特性を利用して”環状噴流”とすることで、工業上、有用な流れが得られる。

環状噴流は、内部の閉空間の渦領域と外部領域の気体(雰囲気ガス)の混合を防止するエアカーテンの効果があり、両者の気体の混合を遮断するのに有効である。

環状噴流の特殊の応用例として、金属粉砕のガスアトマイズ法に利用することで、微粉末製造に好影響を及ぼす効果が得られる。

多くの場合、適正膨張超音速噴流の流れをイメージしてラバルノズル形状のノズルの設計製作を行い、製品の製造がなされている。

しかし、そのほとんどの場合において、ノズルの幾何学的な形状の影響で適正膨張超音速噴流の流れは得られておらず、不足膨張超音速噴流の流れとなっていることが多い。

実際には、このような不足膨張超音速噴流となることが、噴流のもつエネルギーを最大限に利用できる。

特に、アトマイズノズルなどに利用する場合には、有効であると考えられる。

(参考までに、適正膨張超音速噴流が得られるようなラバルノズルの設計製作では、かなり精密な設計と高精度の加工・製作技術を要する。)

*****        *****        *****        *****

工業用製品の製造には、不足膨張超音速噴流の流れの構造、挙動の解明が不可欠である。

そのために圧力、速度分布などの計測技術を駆使した基礎実験的な研究による流れ場の解明、およびシュリーレン法やシャドウグラフ法を用いた流れの可視化による解明が重要である。

さらに、コンピューターを駆使したCFD(computational fluid dynamics 数値流体力学)による流れの現象の解明も、金属溶湯の粉砕メカニズムを明らかにする上で重要である。

本研究は、CFDを応用した気液2相流の解明、および金属溶湯が高圧ガスによって粉砕される流れのようすの3次元動画シミュレーションの解析を行い、金属溶湯が粉砕されるメカニズムをリアルタイムに動画表示して明らかにしている

このCFDによる解析結果は、理論的な研究結果および実験結果とも良い一致を示している。

金属溶湯の粉砕メカニズムの解明は、アトマイズノズルのデザインの改善、および粉砕技術の向上・改善に有効な手段である。

本研究では、実験、可視化、理論の3者を融合することに加えて、生産現場での実験、および製品の製造を行っている。

このような研究によって、実際に有用な実績を上げているが、工業用ノズルから噴出される不足膨張超音速噴流の構造と挙動については、未解明な現象が多い。

したがって、不足膨張超音速噴流の流れの解明は、製品製造の良否に大きな影響を及ぼすために重要である。

特に、金属溶湯の粉砕用アトマイズノズルについては、出口部での流れが金属粉末の品質に大きな影響を及ぼしている。

流れ場の解明、および金属溶湯の粉砕メカニズムの解明が、溶湯粉砕の製造技術の向上・改善、さらに金属粉末製品の品質の向上と改善に重要である。

 

*****     *****     *****     *****
不足膨張超音速噴流の干渉に関する研究
非対称な不足膨張超音速噴流の干渉特性
流れ場の計測 CFD 気液二相流
噴流エネルギー 急冷凝固 低酸素化
流れの可視化 金属粉砕メカニズムの解明
アトマイズノズルの最適化設計 ガスアトマイズ法の技術課題

”不足膨張超音速噴流を応用した最適化ガスアトマイズ法の技術開発”

ユニークな ”最新ガスアトマイズ法による高機能新材料用 微粉末製造の研究開発”
*****     *****     *****     *****

不足膨張超音速噴流の干渉に関する研究

2個、および3個の平行な不足膨張超音速噴流、および衝突する噴流の干渉する流れの可視化写真である。
衝突角度、衝突距離、よどみ圧力によってそれぞれ特性が異なる。
平行噴流の干渉においては、2軸間の距離の違いによって互いに及ぼす干渉の度合い、流れのパターンが異なる興味深い結果が得られている。
また、平行な異径不足膨張超音速噴流では、同径噴流と異なる流れとなることがわかった。

衝突する不足膨張超音速噴流の干渉特性
シュリーレン法 シャドウグラフ法による可視化
<シュリーレン写真画像や構造図のクリックで、関連文献サイトへリンク>

2個の衝突する噴流の干渉特性について、調べている。
その結果、流れのパターンは、衝突角度の大きさによって、スリップ面や定常的な衝撃波の発生する場合と発生しない場合の二つに分類されることが分かった。
また、衝突角度の小さい場合には、大きい場合に比べて下流域まで超音速流れとなる。
衝突角度の大きい場合には、衝突損失が大きいために急速に亜音速に減速し、衝突後の流れの広がりは拡散される。
噴流の上下方向には、波状的に広がる流れとなる。

        衝突噴流のシュリーレン写真                    衝突噴流のシャドウグラフ写真

 衝突噴流の干渉特性    
          <衝突噴流の干渉 カラーシュリーレン写真とシャドウグラフ法による可視化写真>

    
            擬似衝撃波構造                  擬似衝撃波構造
         
    不足膨張超音速噴流の衝突する流れ シャドウグラフ写真 シュリーレン写真

  
       擬似衝撃波構造          擬似衝撃波構造           擬似衝撃波構造
 
                    不足膨張超音速噴流の衝突する流れ シャドウグラフ写真

      
         擬似衝撃波構造                       擬似衝撃波構造
                 
不足膨張超音速噴流の衝突する流れの構造 擬似衝撃波構造

*****        *****        *****        *****

2個の平行な不足膨張超音速噴流の干渉特性
シュリーレン法 シャドウグラフ法による可視化
<シュリーレン写真画像のクリックで、関連文献サイトへリンク>

2本の平行なノズルの軸間距離を種々変化させた場合の流れの可視化、ならびに圧力分布、速度分布、噴流軸に垂直な断面内での等速度線図を調べ、干渉特性を明確にしている。
その結果、2噴流の流れは、互いの干渉のために振動現象が生じて、単一噴流の自励振動よりも激しく振動することが分かった。
流れのパターンは、ノズル軸間距離によって、次の三種類の干渉特性が生じる。
(1)ノズル内径の4倍以下の場合には、噴流軸に対して軸対称な振動する流れとなる。
(2)5~6倍の場合には、同位相で振動する流れとなる。
(3)8倍付近では、これらの両者のパターンをもつ流れとなる。
なお、いずれの場合にも下流域では、干渉のために互いに誘引し合い、合流する単一噴流となる。

                        平行噴流のシュリーレン写真 

 
 <2軸間距離の異なる 2個の平行な不足膨張超音速噴流の干渉する流れ カラーシュリーレン写真> 平行噴流 干渉噴流 合流噴流

*****        *****        *****        *****

3個の平行な不足膨張超音速噴流の干渉特性
シュリーレン法 シャドウグラフ法による可視化
<シュリーレン写真画像のクリックで、関連文献サイトへリンク>

3噴流の軸間距離がノズル内径の4倍に設置し、それぞれ出口平均マッハ数2の噴出速度の等しい場合の干渉特性について明確にすることを目的として、流れの可視化、流れ場の圧力、速度分布などを調べている。
その結果、流れのパターンがマッハ数の違いによって、噴流の長さおよび速度分布の異なる四つに分類されることを明らかにしている。
下流域では、互いに誘引し合い、合流する単一噴流となる。

         
    <平行な不足膨張超音速噴流の流れ 2光源シュリーレン可視化とシャドウグラフ法可視化写真> 平行噴流 干渉噴流 合流噴流

*****        *****        *****        *****

2個の平行な異径不足膨張超音速噴流の干渉特性
カラーシュリーレン法による可視化
<シュリーレン写真画像のクリックで、関連文献サイトへリンク>

異径平行2噴流では、擬似衝撃波を構成するセルの長さがそれぞれ異なるために振動が抑制される。
そのために、同径平行2噴流の場合よりもかなり下流域まで超音速流れが維持される。
なお、平行噴流は、下流域では干渉のために合流する単一噴流となる。

                      
         カラーシュリーレン写真                 カラーシュリーレン写真
                <平行な異径不足膨張超音速噴流の流れ シュリーレン写真> 平行噴流 干渉噴流 合流噴流

*****        *****        *****        *****

非対称ノズルから噴出される不足膨張超音速噴流の干渉特性

ノズル出口部を斜めに切り落とした非対称ノズルから噴出される不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波の構造とその挙動について明確にしている。
非対称噴流は、ノズル出口部の形状が重要視されている繊維ノズルやアトマイズノズルの研究開発への応用、ジェット推力を要する飛行物体の姿勢制御への応用などがある。
このような噴流の流れの構造や特性を明確にすることは、工学的に重要であるとともに、工業上、有益なことと思われる。

非対称な不足膨張超音速噴流
シャドウグラフ法による可視化
<シャドウグラフ写真画像や構造図のクリックで、関連文献サイトへリンク>

非対称ノズルから噴出される単一不足膨張超音速噴流中に発生する擬似衝撃波構造は、ノズル出口部の切り口角度の違いや、よどみ圧力によって異なる。
ダイヤモンドセルは軸対称ノズルの場合と異なり、非対称なダイヤモンドセルが生成される。
切り口角度が鋭くなるほど噴流偏角は大きくなり、非対称性を増すとともに、急激に亜音速流れとなる傾向が見られる。
また、噴流内部の全圧変動は、小さくなる傾向にあり、対称ノズルからの衝撃波構造と異なることが分かる。

ノズル出口角度の違いによる衝撃波構造
 
 
     


      <出口角度の異なる非対称ノズルから噴出する不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波構造 シャドウグラフ法による可視化写真>

よどみ圧力の違いによる衝撃波構造


    
<よどみ圧力の異なる非対称ノズルから噴出する不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波構造 シャドウグラフ法による可視化写真 TP10SA45>

 
     <よどみ圧力の異なる非対称ノズルから噴出する不足膨張超音速噴流の擬似衝撃波構造 シャドウグラフ法による可視化写真 TP10SA30>

 出口角度の違いによる非対称不足膨張超音速噴流の構造

           
              非対称不足膨張超音速噴流の構造 擬似衝撃波構造

*****        *****        *****        *****

非対称な不足膨張超音速噴流の干渉特性
シャドウグラフ法による可視化
<シャドウグラフ写真画像や構造図のクリックで、関連文献サイトへリンク>

2噴流の噴出軸が互いに平行であるが、切り口角度の影響で2噴流は衝突する流れとなる。
衝突位置は、2軸間距離の違いによって異なり、2軸間距離の大きいものほど、かなり下流域で衝突する。

出口角度 ノズル間距離の違いによる干渉特性

  
  <非対称ノズルから噴出される不足膨張超音速噴流の干渉特性 衝突出口角度 ノズル間距離の影響 シャドウグラフ法による可視化写真>

ノズル間距離、ノズル出口角度の異なる非対称噴流の構造

  
                   非対称不足膨張超音速噴流の干渉する流れ 擬似衝撃波構造

*******************************

*****  *****  *****
続きは
まとめ(おわりに)の章へ
 *****  *****  *****

TOPへ             to Site1            to Site2

 
 
近畿大学名誉教授 工学博士 児 島 忠 倫
Dr.Tadatomo Kojima
Doctor of Engineering, Professor Emeritus of Kindai University
 
 
 

 

inserted by FC2 system